[合唱]静かな雨の夜に
女声合唱とピアノのための組曲「静かな雨の夜に」(2000)
1, 夢
2, かつてもっていた
3, 十八歳
4, 天の断片
5, 静かな雨の夜に
特に表題作は、
詩のもつ雰囲気を存分に引き出していて
ピアノによる伴奏が世界観を膨らませている。
ゆっくりとした曲なのに常に流れていく感じと、充実した空気感は、一見簡単そうだが、表現するとなると難しい。
表題曲↓
初演団体
女声合唱は、
2000年, 国立音楽大学付属高等学校合唱部が委嘱初演。
続いて混声合唱版は、2005年, 東京合唱アライアンス耕友会が委嘱初演。(2008年出版)
男声合唱版は、2014年, お江戸コラリアーずが委嘱初演。(2016年出版)
そう、今年ようやく男声版が出版されたのです👏
詩の出典
ちなみに…
あまり語られない詩の出典ですが、
4つは『十八歳』(1993), 表題作のみ『二十億光年の孤独』(1952)から。
『十八歳』は、その名の通り18歳のころの作品を集めた詩集。
『二十億光年の孤独』は、21歳で刊行した処女作で19歳前後の作品集のようである。
1, 夢(1950)
英訳されています→The Lost Notebook Returns: DREAM by Tanikawa 谷川俊太郎「夢」新訳
2, かつてもっていた(1950)
3, 十八歳(1950)
沢野ひとしさんの絵がまたなんとも言えない→『十八歳』谷川俊太郎/沢野ひとし ( 詩 ) - ♪゜*。:゜* メル日和 ∮゜:。+゜○ - Yahoo!ブログ
4, 天の断片(1950)
5, 静かな雨の夜に(1952)
番外編
『二十億光年の孤独』は、木下牧子先生により組曲になっている。全体的に明るく、テンポの良い曲集になっている。
めちゃくちゃ有名な、「春に」もこの曲集。個人的には「サッカーによせて」が好き。
混声合唱曲集『地平線のかなたへ』(1992)
1, 春に
2, サッカーによせて
3, 二十億光年の孤独
4, 卒業式
5, ネロ
「二十億光年の孤独」↓
詩とは
最後に、
谷川俊太郎が詩について語っている記事を紹介。
詩は、くだらないものなんですよ。詩からは、学ぶものはほとんど無いんです。好きなものは好きっていうのと同じで、要はその詩を好きになればいいんですよ。わからなかったら、いろいろ考えたり、人に聞いたりすればいい。
詩は音楽に近いものです。音楽は、言葉がなくても「この曲が好き」と、なんだか心を揺さぶられたりするでしょう。そんな風に詩も、楽しんで、味わってもらえたらいいですね。
「詩はくだらないもの」詩人・谷川俊太郎が切り開いた詩の世界 | DMM英会話ブログ
言葉というのは、他人のもの。〜
いくら頑張って自己表現しているつもりでも、これは自分だけの言葉だってことはないんですよね。結局、言葉を扱う以上、他人の存在が必要不可欠なんです。
自分も他人にとっては他人。
他人のものを、自分に投下して、咀嚼して、
また他人へ返す。
自己表現とか言葉の意味とかに
囚われる必要なんてなくて
自分であるために言葉を紡げばいいと思うんだ。
せっかく地球で言葉を使える
唯一の生き物なんだからさ。