かるてぃべーと Cultivate

国際協力とか、農業とか、音楽とか、ボードゲームとか。

[本][国際協力]アフリカの風に吹かれて−途上国支援の泣き笑いの日々 藤沢伸子

 

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以前、先輩コンサルタントから聞いた印象深い話を改めて思った。
「我々は、所詮、その国の土にはなれない。でも、その国の風になることはできるんだ」。
短期間しかいない我々のような余所者が、その国の土台を一からつくるような仕事に携わることはできない。しかし、我々のような者でも、その国に風を吹かし、種を運び、何かを育てていくきっかけをつくることは、出来るのかもしれない……。
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(表紙裏より)

 

 

アフリカの風に吹かれて―途上国支援の泣き笑いの日々

アフリカの風に吹かれて―途上国支援の泣き笑いの日々

 

 

 

完全にもっていかれた。
図書館で、手に取って開いたときのこの引用文は、
私が改めて国際協力を目指そうと胸を踊らせながら、一気にこの本を読み切るのに十分だった。

 

さらには、一章ではいきなり恋バナ。
本全体は、国ごとに章が分かれていて、最初のスーダンはオランダ留学の後に初めて訪れたアフリカの地として紹介されていた。

 

留学先で課題に追われながら淋しい思いをした著者が、
話を聞いてくれたアフリカ人と惹かれ合い励まし合い、日本帰国前に、全くの異文化圏である彼の母国を訪ねる様子は、感情移入できると同時にフットワークの軽さ(というか想いの強さ)を感じることができた。

 


その後物語は、私が国際協力に興味を持つきっかけである難民キャンプを舞台として進んでいく。
南スーダンザンビアジブチシエラレオネ

 

文章は終始ラフな言葉で、
人様の日記を見ているかブログを読んでいるような感覚だった。

 

珍しい…と感じたのは、
いきなり恋バナをブッ込んでくるのもそうだが、
全体を通して、失敗談をふんだんに盛り込んである点である。

 

こうすれば良かったのにできなかった、
こうできれば良かったが上手くいかなかったなど、
赤裸々な体験たちが、国際協力分野で働く人の像をハッキリとさせてくれた。


今の私に足りないものは、こういう全てを受け入れて曝け出すことなのかもしれない。私はこうするんだ!とそのときの精一杯の自分で受け応えるような。

 

さて、1年後のブルキナファソにはどんな風が吹いているだろうか。