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[国際協力]講演「ルワンダ 平和構築と和解はどこまで進んだか」

 
東京大学大学院総合文化研究科のHSP「人間の安全保障」プログラムに参加しました。
 
 
ルワンダ PIASS大学平和紛争研究学科で教鞭ととっていらっしゃる佐々木和之氏による「ルワンダ 平和構築と和解はどこまで進んだか」。
 

和解:謝罪と赦し

ニャルワンダ語のUbwiyungeは和解という意味で、壊れているものを修復するという意味合いがあるそうです。
 
民族間の関係のみならず、被害者と加害者、フトゥとトゥチが入り混じった家族も少なくない中での家族間の関係など直視すべき問題はたくさんあります。
 
 
佐々木氏が立ち会ったという、ガチャチャ裁判に関するお話はもちろん、NHKドキュメンタリーでも取り上げられた当事者同士の和解の様子は生々しいものがありました。(佐々木氏を支援する団体会報より)
 
加害者の告白、被害者のスピーチ。謝罪と赦し。2ページにわたって綴られたその様子は、読むだけでも緊張感と当事者たちが大きな変化を果たしたことが伝わってきました。
 
 

「正史」を受け入れられるか

 
会の終わりの質疑応答の場面で、民族の対立を日韓関係に照らし合わせ、
政府からの「正史」を共通の歴史認識として受け入れさせることは難しくないのか、という問いがありました。
 
佐々木氏は、今までそういった視点で考えたことがなかったとしながらも、日本や韓国とルワンダの違いを挙げながら、ルワンダでは可能であると思っていると語りました。
 
農村社会では民族の違いも乗り越えていかなければ生きていくことは難しこと、佐々木氏自身もクリスチャンであり前述の「和解」も教会で行われたようですが、神への信仰によって乗り越えられる場合があることなどを語りました。
 
 

現状と課題

 
国全体としては、現在、平和的共存は成り立っているとし、新しい国民アイデンティティの形成も、世代間での違いはあるものの少しずつ進んでいる様子を話していました。
 
 
課題としては、経済が安定している今は状況は安定しているが、経済格差は広がっている兆しもあるようで、支援や対応が小規模に限定されていることも指摘していました。
 
 
 
1994年から23年。
Good governanceに加えて次に何を目指せば良いのか。
 
affirmative action;集団間の歴史的・社会的格差是正という言葉も挙がったが、まだまだ学ぶ側の身としては、是正する立場の人間が何を真実としてどこへ向かうのか、その理解だけで大変な時間がかかるような気がした。
 
 
佐々木さんを支援する会HP